ハナビをいろんな視点からほじくってみたい
えー、第2回目を迎えてしまいました春香の卓球娘部屋。
あー、そうですね、今回紹介するキャラはコチラです。
(前回でテンション振り切れたので若干省エネ気味でいきます)
この笑顔に救われた方も少なくないだろう。
みんな大好き天下ハナビちゃんである。
部のムードメーカーだったり、団体戦の切り込み隊長だったり、天真爛漫さで人々を救済したり、ほくととの絡みで世界に平和をもたらしたりしている彼女。
前陣速攻を体現したかのような竹を割ったような性格で、筆者もキルカ部長に次いで好きなキャラである。
実のところ、筆者が灼熱の卓球娘を知った最初の頃はハナビが1番好きだった。
どうやってキルカを好きになっていったのかは今回は置いておいて、
ハナビを好きになったきっかけは…
えー、うん、はい。
前回と同じになってしまうのだが、ズバリ
「戦型」
である。
皆様ご存知の通り、この天下ハナビ、
「日本式ペンホルダー前陣速攻型」
であるわけだが…
少し解説を。
卓球のラケットには、大きく分けて「シェークハンド」と「ペンホルダー」の2つが存在するが、
一口に「ペンホルダー」と言っても、様々な形状のものがある。
例えば、
↑ブレードが長く、遠心力を効かせて力強い攻撃を可能にする日本式ペンホルダー
(以下、日ペン)
↑ブレードが丸く切り替えがやりやすく、連続攻撃がやりやすい中国式ペンホルダー
(以下、中ペン)
↑日ペンと中ペンの中間のような形の反転式ペンホルダー
(ローターともいう)
大きく分けてこの3つがある。
この中でもハナビは日ペンを使用しているわけだが、この日ペン、
現代卓球界では「希少種」を通り越して「絶滅危惧種」なのだ。
そもそもペンホルダー自体だいぶ少ないのだが、日ペンはその中でも特に少ない。
減った要因は様々だが、筆者自身は
「裏面(シェークでいうバック面)にラバーを貼れない」
というのが最大の要因だと考えている。
(日ペンで裏面を貼れるものもありますが今回は見逃してください…)
卓球部のエゴで選手を紹介させてもらうと、裏面を貼らない、もしくは貼っていても使わない選手は、
よく聞くところでは男子は吉田海偉選手(日本)、カズオ・マツモト選手(ブラジル)、女子はシャン・シャオナ選手(ドイツ)
ぐらいのものだ。
(引退された選手は省略させていただきました)
これらの選手はいわゆるベテランの域で、片面ペンホルダーが持つ弱点を技術でカバーできるので、今でも世界のトップで戦えている。
その弱点とはただ1つ。
「バックハンドで強い回転をかけられない」
という点だ。
前回のブログでも述べた通り、現代卓球界のプレースタイルは、
「前陣での両ハンドによる、上回転のピッチの早いラリー」
に集約されつつある。
フォアハンドでもバックハンドでも、相手より強い回転をかけてボールをコートに送り込んだ者が勝者。
この「強い回転をかける」というのが重要な要素なのだ。
卓球は「回転のスポーツ」と言われるほど、ボールの回転に重きを置かれる。
回転をかければかけるほどボールは安定するし、相手にとっての体感速度も早い(上回転の場合)。
中国が磐石の強さを誇っているのには、回転をかけて安定させているという側面もある。
世界トップクラスの特に女子選手は、あの高速ラリーの中でも回転をかけているのだ。
そして中ペンや反転式は、裏面を貼ればシェークハンドと同様にバックハンドが打てるため、咄嗟の場面でも回転をかけられる。
それに比べて日ペンは当てるだけになってしまい、棒球になるので、次の球を狙われてしまう。
そして下がってしのぐ…という展開になることが多い。
男子なら打ち合いに持ち込めるが、女子は下げられると厳しい。
さらに、ルール改正もペン離れに拍車をかけた。
ボールの大きさが38mmから40mmに変更される、ハンドハイド(ボールを手で隠す)サービスの禁止、スピード補助剤の使用禁止、ボールの材質がセルロイドからプラスチックに変更されるなど、よりラリーが続くようにルール改正が施されてきた。
これらの変更は、特にペンホルダーの選手にとって影響が大きかったという。
とにかく、卓球の進化とルール改正によって、日ペンの選手は激減した。
そんな圧倒的不利な状況の中、天下ハナビは戦っているのだ。
特に女子において、前陣での戦い方は重要だ。
こよりが入学する前とはいえ、部内ランキングはあがりに次ぐ2位。
あがりが都ベスト8ということを考えれば、相性などはあれど、ハナビもベスト16ほどの実力はあるだろう。
片面日ペンでここまで勝ち上がれるのには、「速い」以外にも理由がありそうだ。
というわけで、もう少し深くまで掘り下げてみようと思う。
○ハナビってどんな戦い方なの?
原作によると戦型は「前陣速攻型 」だが、その中でも特徴は異なってくる。
様々な選手を参考にしながら、ハナビのプレースタイルを紐解いてみよう。
まず、ペンホルダーの選手は、サービス、レシーブが上手い。
今は引退された馬琳選手(中国)、柳承敏選手(韓国)などは、持ち前のパワードライブが注目されがちだが、台上技術がめちゃくちゃ巧みだ。
相手の逆を突いたり、サイドを厳しく攻めたりして、攻撃のチャンスを作る。
サービスも回転が分かりづらく、要所でロングサービスも混ぜて一発で打ち抜く。
そして前陣で戦う選手は、相手に打たせるのが上手い。
張本智和選手(木下グループ)や手塚崚馬選手(明徳義塾高校)、平野美宇選手(日本生命)なんかがいい例だ。
ツッツキを深く送り、相手が持ち上げたところをブロック、カウンターで振り回す。
相手のボールを利用するのが上手い、とも言えよう。
そして、予測能力が高く、フットワークが素早い。
これは映像を見てもらったほうが早い。
丹羽孝希選手VSオフチャロフ選手。
スーパープレー集なのでこのプレーが全てではないが、格上相手にノータッチのカウンターを連発している。
まるで待っているコースにボールが飛んでくるようだ。
筆者もデュッセルドルフでの世界卓球の試合はリアルタイムで見ていて、胸が震えたのを覚えている。
予測能力とフットワークに優れているからこそできる芸当だろう。
まとめるとハナビの特徴は…
・台上の技が豊富
・相手のボールをいなし、振り回す
・予測能力に長け、足もある
…あれ?
強くね???
もちろん、ハナビが上の3つ全ての要素を持っているとは限らない。
でも前陣速攻の適正があるって言ってたし…
速さも十分あるし…
都ベスト16ぐらいなら自分の展開に持ち込む技術はあるだろうし…
…もしかしてハナちゃん、
練習次第でだいぶ強くなるんじやね?
日ペンはバックが弱点とは言ったが、それはあくまで攻める場合だ。
ブロックでしっかり止める、サイドスピンブロックでいなす、回り込んで打つなど、確かに難しいが不可能というわけではない。
持ち前の速さを磨きつつ、弱点を克服できるようになれば…
「雀が原で一番」も十分狙えるのではないだろうか。
かつてペンホルダー速攻型の選手は、世界を席巻した。
今となっては絶滅危惧種だが、だからこそ味がある。
そんな浪漫あふれる天下ハナビを、
皆様も応援してみてはいかがだろうか。
追記
第2部ではハナちゃんの勝ち試合をお願いします(スライディング土下座)
あとがき
ここまで読んでくださりありがとうございました。
今回はハナビ、もといペンホルダーについてでした。
シェーク全盛期の今だからこそ、ペンの選手を応援したいですね。
私事ですが、現中3の後輩に片面日ペンの子がいるんですよ。是非頑張ってほしいです。
ちなみに、「上回転をかけたほうが勝つ」というのは、あくまで基本的な例です。
伊藤美誠選手(スターツSC)や何卓佳選手(中国)など、独自のスタイルで世界のトップクラスまで登りつめた選手ももちろんいます。
あくまで世界的に見るとこういう流れになっているよ、といった感じです。
あと丹羽孝希選手のカウンター集みたいな動画がYouTubeにいろいろ上がってるのでぜひ見てみてください。スカッとします。
…とまぁいろいろ書きましたが、ひとまず今回で、これを書きたい!という明確なネタは尽きました。
燕女メンバーズのラケット考察とかしたいな~とかぼんやり考えてはいますが、どうなるかは分かりません。
原作とかアニメとか見返して、これいいなーというネタができたらぼちぼち書いていこうと思います。
気長にお待ちいただければ幸いです。